RYOBIの集塵機を買ったので市販のサイクロンのパーツを使って塵分離機を作ってみました。

集塵機に直接吸わせると特に細かい塵がフィルターにくっつき、すぐに目詰まりしてしまいます。

大きく見えますが、真ん中にファンとフィルターが入るので容量は意外に小さく、がっかりするほど少ししか溜められません。

ぴったりはまる集塵ホースのアダプターを木で製作。吸い込み側は工具に応じて2種類のホースが接続できるデュアルアダプターとしました。こうすればホースによってアダプターを付け替える手間が省けるし、使わない方のアダプターがなくなる心配がありません。

どちらのホースも両端はそれぞれ同形状なので詰まった際にはひっくり返せば簡単に解消できます。

空気漏れはパワーの低下に直結するので塵溜めと蓋の間の気密性は重要ですが、塵を捨てる時には簡単に蓋を外したいという矛盾した機能も求められます。蓋に塵溜めに合わせた溝を掘って中に隙間テープを貼りました。

サイクロンと蓋の間にもコルクのパッキンを挟みました。

塵溜めにテーパーのついた引っ掛けをつけ、蓋を回すとキュッと締まる構造にしました。塵溜めは負圧に耐えられれば基本的に何でもよいので残っていたボイド管φ200を使用しました。見栄えが良くないのでペイントスプレーで黒艶消しに塗装しています。

ガタガタしないためには3点接地。重量はないので1個100円ほどの小型のキャスターで十分です。ちょっとホースを引っ張ると簡単について来ますが、背が高いので倒れやすい欠点があります。

細かい粉塵までは分離できないのではないかと思っていましたが、予想以上に分離できています。
これで、据え置き型のルーターテーブル、トリマーテーブル、テーブルソー、自動カンナ、手持ち工具ではトリマー、ビスケットジョイナーに対応し、塵のない快適な作業環境になりました。
もっと早く導入すべきでした。

サイクロンのすごい所はどう考えてもこんなので粉塵がきれいに分離できるわけないと思うような冗談のような外観でもしっかり分離できてしまう所だと思います。反対に見た目はすごいけどサッパリ役に立たない見掛け倒しの工具や治具はなんぼでもあります。
分離する理屈が分かったので何とか作ってやろうという気になっても漏斗を合板で作っていては最適解にたどり着く前に人生が終わりそうなので気軽には手が出せません。
と思っていましたが、いろんなサイズのサイクロンのパーツが市販されているのを見ると厳密な最適解でなくてもそこそこでまあまあの性能を発揮するのではと思えてきました。
アマゾンで売っているサイクロンのパーツはプラスティックの漏斗状のものとして見れば高い。プラモデルのような複雑な形のものがあんな値段なのに何でこんな簡単そうなものがこんなに高いんだろう?→誰かが暴利を貪っているに違いない?→ならばこれを作らない手はない。
でも、
1.内側が滑らかな漏斗状のものを集塵機の負圧に耐えられる材料と構造でどうやって作るか?
2.吸入側のパイプと漏斗をどうやって接続するか?(漏斗状の側面にどんな穴を開けたらいいのか?パイプの先をどんな形状にすればいいのか?)
この2点は大きなハードルに思えました。
負圧については全体を円筒で覆ってしまって負圧がかからない構造にすればいけるのではと考えているうちに、そもそも漏斗状に絞る意味はあるのかと思えてきました。絞るのは流速が落ちてきても遠心力が小さくならないようにという意味だとは思いますが、短い円筒にして流速が落ちる前に下に落ちてしまうのもアリではないかと考え、サイクロン2号に着手しました。

木工ボンドで無理やりくっつけました。

集塵パイプと本体が接続できました。

木工ボンドでシールしています。

VU60(内径56mm)でこんな変な形を作りました。形はCADで求めました。形さえ決まれば柔らかいので加工はそんなに大変ではありません。

紙筒の外側をVU管でカバーしました。作ってしまったので付けましたが、なくてもよかったかもしれません。

見栄えが良くないのでこの段階で艶消しの黒で塗装。キャスター用のブラケットはサイズと位置の設定が甘く作り直すはめに。

接続用の短いスリーブをシナベニヤで作りました。

間に隙間テープを入れてトグルクランプ3本で固定します。

塵溜めのボイド管に直接ブラケットを付けて極力コンパクト(全体で高さは550ミリ)になるようにしました。

吸入側を一回り太い内径55ミリの集塵ホースとしたので、これに合うように自動カンナの集塵アダプターをちょっと改造しました。
2号は自動カンナとボール盤専用になっていますが、集塵ホースが太いので自動カンナの全幅で切削しても大口径のフォスナービットで穴あけしても詰まることがありません。38ミリと55ミリの差は思ったより大きいですね。